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今年も9月がほとんど終わり、12月まであと2か月少々。少しでも涼を求めて、行ってみたかった徳島の大塚国際美術館へ足を運んで来ました。世界中の絵画の名作が「全てレプリカ」として楽しめます。本物であれば筆遣いや濃淡の細かさをこの目で見てみたいと思うものですが、レプリカだと関係なし。実際に作品群をじっくりと見るということにはなりませんがそれでも見知った絵画が飾られているのを見つけるのは楽しいのです。というのも大きな美術館でもなかなか有名作品ばかりを立て続けに目にすることはないからです。有名な作品の前には人だかりが出来ているので、遠目にもあそこには有名作品が飾られているのだと一目瞭然。モナリザ、もちろん。モネの作品群、もちろん。ゴッホ、もちろん。ルノアール、もちろん。テレビのCMで更に認知度の上がったフェルメールの真珠の耳飾りの少女も展示されていました。
レッスンでその絵画の話になった際、色彩の少ないこの作品で目立つのがターバンの青と黄色のコントラストです。絵画の心得のあるK生さん曰くこの青は独特で再現することが難しいそう。顔料の中でも青はとても高いとは知っていましたが、触発されて調べてみました。この作品の青にはラピスラズリが使用されていたらしいのです。ラピスラズリといえば半貴石で、時にはこの石が金よりも高価であったようです。そしてびっくり。ラピスラズリは現代の日本語においてはカタカナで表記されてしまっていますが、和語では「瑠璃色」でした。仏教の七色の一つの、あの瑠璃。そしてウルトラマリンもカタカナで定着していますが、原材料としてはラピスラズリ由来で、「海を越えてやって来た」という意味だそうな。つまりフェルメールの少女が纏っているターバンは瑠璃色なのかぁ。この瑠璃色を言葉で表現すると、青と紫の中間色で、紫を帯びた鮮やかな濃い青色ですって。
こうして日々、役に立つか立たないか不明な知識を得るのです。